マックス・オフュルス作品

日本では遂に劇場公開作「Caught」が「魅せられて」としてDVDリリースされましたりしましたが、近年フランスや英国でのマックス・オフュルスの再評価はもっともっと進んでいて、リマスターのニュープリント上映やおまけ付きのDVDなどのリリースが相次いでいる。80年代に『忘れじの面影』のリバイバル公開された時のプリントを見ましたが、劣悪なプリントで、心から堪能でなかった。後に出た海外のビデオの方ましでした(日本のビデオはそのプリントからおこしたので劣悪の極みで、格安DVDなんてそれと同じ素材でしょう)。昨年のパリでのニュー・プリント公開では別モノの美しい映像で、感激ひとしお。それに続いて『快楽』のニュープリントも公開され、それと合わせて『たそがれの女心』も久々なので、両方見てしまいましたが、やっぱり日本で適当にやっているものとは大違い。どれも見に行って正解でした。パリではこんな感じに何かと上映を続けており、継続は力なりということになって、愛好され続けるのです。「ルビッチ・タッチ」もこれをやった同じ劇場が始めたものです。
DVDの品質をレビューするDVD Beaverが先頃英国でリリースされた4作のマックス・オフュルス作品を検証したので、そちらもチェックして下さい。それにしてもみんな何度もみてるけど、こんなにお宝付きだと買わざるおえない!...『エデンより彼方へ』のドッド・ヘインズがイントロダクションなんてやっているのはいかにも。ちなみに日本TV放映作だけどティルダ・スウィントンが大熱演で各賞の候補となったりした『ディープ・エンド』(2001年)は、日本TV放映のみのオフュルス作品『レックレス・モメント』のリメイクだったのですね。かなり屈折したものでしたが。

魅せられて』のモーション・キャプチャーはDVDレビュー・サイト「映画の國」で見られます。写真をクリックすると拡大されます。冒頭の映像も高画質で見られるので、お試しあれ。