EUGENE GREEN

本日、遂に念願のDVDが到着。
2年前の秋、パリはサン・ミシェル界隈の裏通りにある MK2 Hautefeuilleで公開されたウジェーヌ・グリーンの「Le Pont des Arts」。その公開記念で、それまでのグリーン全作品も特集上映された。まず「Le Pont des Arts」を見て、完全にやられ、他の作品も後に鑑賞(劇場ロビーにはいつも日本人がいたが、それはゴダールとストローブの作品が目当てだったよう。つまりそういう作品をやるシネコン。全く駄目になった日本じゃ考えられないプログラミング。今年の春はジャン=ダニエル・ポレのDVD発売記念で彼の作品を特集上映していたし)。その後、「Le Pont des Arts」に出演し、音楽を演奏していたヴァンサン・デュメストルと彼のアンサンブル、ル・ポエム・アルモニークが、「ジョルジュ・ド・ラ・トゥール展」の一環で東京都西洋美術館内で演奏会を敢行したが、デュメストル、イザベル・サンティーヴ、アルノー・マルゾラーティと、ヒロインの歌の吹替えで参加したクレール・ルフィリアトルが、映画で見せてくれたようなことをほんの数メートル先で再現してくれるという夢のような事が起き、感激。なお先日来日し、グリーンが師匠というバンジャマン・ラザールとルイーズ・モアティも映画に顔を見せていた。
グリーンはアメリカ生まれだが、フランスに帰化した人物。その彼が、フランスに帰化したウィリアム・クリスティらしき人をモデルに描いた作品を描くというのは興味深い。この映画は、79年パリでバロック・アンサンブルを立ち上げモンテヴェルディに取り組むという音楽家の元に訪れたソプラノの挫折と彼女の声に魅せられた男の話で、実際クリスティは79年にモンテヴェルディレザール・フロリサンをスタートしている。
なお、第一作「Toute les nuits」はクレマン=ジャヌカンシャンソンから命名し、これもルフィリアトルがその歌を歌いル・ポエム・アルモニークが演奏している。これは先にDVDリリースされたが、現在廃盤。長篇第2弾「Le Monde vivant」は風変わりなファンタジーであるが、音楽の演奏はアルペッジャータのクリスティーナ・プルハーと先日ヘレヴェッヘの演奏会でソリストをつとめたダミアン・ギヨンが担当。今年はカンヌで新作短篇が出品されたが、2年前の上映会では「Le Monde vivant」と上映された満月の夜に変身する男を描いた短篇と一緒にいつか商品化されたりしないか、期待を...。日本では残念ながら公開は期待できないのですが、日仏あたりで特集とかしてもらえないかとは思ったりはしてますが...。ついでだからラザール演出/デュメストル指揮「町人貴族」の上映会とかするというのは....。

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