CANDIDE

今月シャトレ劇場上演のレナード・バーンスタイン作《キャンディード》ですが、ミラノでの夏の公演はCandideならぬCan't did itとなりました。ロバート・カーセンの演出ということとランベール・ウィルソンらの出演で注目していたのですが、政治的風刺をもりこんだりしていたこともあってキャンセルするとのことです。オペラ・マニアのランベールさん、スカラ座デビューできずに残念でした! ステファヌ・リスネール(リスナーってよく書く人がいるけど違います)はかなりハイセンスな仕事をする人だったんですが、古くさいミラノではそれは全く通じず、彼の感覚はパリやエクスではOKでもミラノでは全く意味がないということを実感しているようで、方向転換を余儀なくされていることは、今期の上演プログラムを見ても明白。今月の《アイーダ》でも2日目にロベルト・アラーニャが客のブーイングに切れて公演途中で降りたり、2月公演のドニゼッティ連隊の娘》はロラン・ペリーの新演出のはずが昔の公演の再演にさし変ったことで当初予定されていたマリリン・ホーンは早々降り、主演のナタリー・デセイ(2C)も話が違う!ってことでキャンセル(ロンドンとウィーンはペリー演出なんで出演)。そして今回のキャンセル話。大波乱のようです。なるべく行きたくない劇場なので、行く理由へ減るほうがこちらは有り難い...。

追記 年が明けて3日、ロバート・カーセンに妥協してもらって手直しして結局上演することになりました。ランベールさん良かったね! でも絶対ミラネーゼにはウケないだろうけど。
某日本の興行団体からのメーリングでカラーふんだんに使ったNEWSが郵送されてきましたが、タイミング悪く、《アイーダ》の件は初日の成功を語るだけで、その後の騒動は触れられず。その下にあった旅行会社のツアーの広告では、《連隊の娘》鑑賞をツアーの日程に入れていたけど、出演者は降板したデセイをまだ入れていたので、やばい気が...。でも67万も出してイタリアを旅行する金持ちがいるんですね...。