MARIE ANTOINETTE (1755-1793)

Marie Antoinette (Les Arts Florissantsの綴りをミスってる残念なサントラ)

JEAN-PHILIPPE RAMEAU (1683-1764)

LES INDES GALANTES (1735) CASTOR ET POLLUX (1737) PLATEE (1745)
Les Sauvage: Menuet Tristes apprêts Aux lagueurs d'Apollon
二人で踊る場面 オペラで拍手して無視される オペラで拍手
Rameau: Les Indes Galantes Rameau: Castor & Pollux Regne Amour: Operatic Love Songs

昨日は『ロスト・イン・トランスレーション』が放映されていてやっと見ましたが、それはビル・マレーとマシュー南のシーンの確認のため(MatthewではなくMathewとしているのは故意なのか?!)。でもかなりだらけててすれっからし女のぐだぐだ感(つまりガーリー映画)が、自分にはフィットせず。今日の『マリー・アントワネット』も同じノリで、テンポはだらけてる。ウィリアム・クリスティレザール・フロリサンに演奏を依頼して実際にマリ=アントワネットの時代に上演されたアントニオ・サッキーニの《ダルダヌス》(当時の発音ではダルダニュスではない)の実演も交えた『ジェファソン・イン・パリ』(台詞にジェファソンと不倫しているという台詞があったけど)とは違い、こちらはとんでも映画界ではお馴染みだけど時代が違うジャン=フィリップ・ラモーの既製CD音源を使っただけで、この映画用に演奏したものはないので、サントラとかに音楽的価値は無い。選曲も既に他で使ったようなのばかりで、ヴェルサイユで初演されたといっても1745年の作品《プラテ》のラ・フォリのシーン(オペラ演出としては全くなっていないし、土間は椅子はなく立って見るところなのに...)はきんきらのオペラ・ロワイヤルで撮影していてもキャロリン・サンプソンの録音を使っただけ。目覚めの時に何度か流れるヴィヴァルディは、『オール・ザット・ジャズ』でシャワーを浴びるに何度も流れる曲で、それのオマージュとして使ってるのだとしても芸がないし、ヴィヴァルディはマリ=アントワネットが生まれる前になくなっているし、雰囲気で使っただけとしか思えない。ロックとか垂れ流してもなぜかレトロ。パリ・オペラ座パレ・ガルニエの仮面舞踏会(地下の広間はなかなか行く機会はないけど、それこそラモーの《レ・ボレアド》の初日のパーティがここだったんで、行くことが出来たけど、出たのが午前2時だったんで、この映画は3時だったんで負けた)でやかましいロックを使わなくてもバロック音楽とか選んでも十分ファンキーな選曲が出来るはずなんだけど...(最初に二人が踊るシーンで使った《優雅なインドの国々》のエンディングとかあんな所で使うの変だし、《レ・ボレアド》の舞曲でもかなりイケるはずだし)。それにしてこの選曲はダサイと思うけど、これがダサカッコイイんでしょうね...人によっては。フランスで興行的に受け入れられなかったのは当たり前だけど、パ・ロック好きのそこいらの娘っ子と変わりゃしない女として描いていることで、日本のアンニュイな娘ちゃん向けの映画として受け入れられるというのも分るというもの。でも決して「ベルばら」世代向けとは思えない。あの耽美はここにはない。歴史的に役に立たないつくりだからお勉強したくない人にはいいのかもしれないけど...。