80th ANNUAL ACADEMY AWARDS

  • 司会:ジョン・スチュアート Jon Stewart
  • クリップ:「双眼鏡と潜望鏡をつかったシーン」
  • クリップ:「悪夢から目覚めたシーン」
  • プレゼンター:ケリ・ラッセ
  • パフォーマンス:「August Rush」より「Raise It Up」ジャマイア・シモーン・ラッシュ、インパクト・レパートリー・シアター・オブ・ハーレム (作:ジャマール・ジョセフ、チャールズ・マック)

KLANG DES HERZENS

KLANG DES HERZENS

  • プレゼンター:ルーク・ウィルソン
  • 短篇実写映画賞:「Le Mozart des pickpockets」フィリップ・ポレ=ヴィアール
  • プレゼンター:「ビー・ムービー」
  • クリップ:「特集 昆虫」
  • 短篇アニメ映画賞:「Peter & The Wolf」スージー・テンプルトン、ヒュー・ウェルクマン
Enchanted Wicked As I Am
エディット・ピアフ~愛の讃歌~ (2枚組) La Môme
  • 余興:ジョン・スチュアートとジャマイア・シモーン・ラッシュがWiiでテニス
  • プレゼンター:コリン・ファレル
  • パフォーマンス:『once ダブリンの街角で』より「Falling Slowly」グレン・ハンサード、マルケタ・イルクロヴァ
  • プレゼンター:ニコール・キッドマン
  • ロバート・ボイル クリップ集:『北北西に進路を取れ』『恐怖の岬』『マーニー』『鳥』『冷血』『屋根の上のバイオリン弾き』、「Gaily, Gaily」(ノーマン・ジュイスン監督作/TV放映題『シカゴ・シカゴ/ボスをやっつけろ!』1969)、『アメリカ上陸作戦』『プライベート・ベンジャミン』『努力しないで成功する方法』『メイム』『疑惑の影』『華麗なる掛け』『ラスト・シューティスト』『ドラグネット』
  • 名誉賞:ロバート・ボイル (美術監督)
北北西に進路を取れ 特別版 [DVD] 鳥 [DVD] マーニー (ユニバーサル・セレクション2008年第5弾) 【初回生産限定】 [DVD] 疑惑の影 [DVD]

Once

Once

美しきセルジュ/王手飛車取り [DVD] Je N'Peux Pas Vivre Sans Amour [DVD] [Import] The Magic Lantern: An Autobiography Soundtrack
Ost: Abbitte (atonement)
(サントラ)
Boheme-Comp Opera
(使用CD:ラ・ボエーム)
  • プレゼンター:トム・ハンクス
  • 短篇ドキュメンタリー賞:「Freeheld」
  • 長篇ドキュメンタリー賞:『「闇」へ』
There Will Be Blood
(サントラ)
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲、他
(使用CD)
  • クリップ:「特集 監督賞」

今年のトレンドはレッド・カーペットばりの深紅のドレスでしたが、同じようなドレスが多いなか、ひと味違うのが昨年受賞の女王ヘレン・ミレン、そして最高にかっこいジュリー・クリスティ様 (座ってると)。でも、彼女の受賞とならず、もうかなりドッチラケてしまいました。『ノーカントリー for Old Men』が主要部門を取ったこともあるのか、今回は「高齢者のための国はない」ということのようで、功労賞的な意味合いの受賞は一切なく、演技部門は全て外国人でした。バックステージでの受賞者インタビューの方が充実していたようで、ティルダ・スウィントンは演技部門が全員外国人だったことを訊かれて、「もともとハリウッドはヨーロッパ人が作ったものだから、戻った感じ」と。マリオン・コティヤールに行くのは、伝記映画で特に歌ったりすると必ず受賞するので順当という感じですが、バックステージ・インタビューで今の気分で歌いたいピアフは歌は?といことで「パダン、パダン」を歌ってくれて大盛り上がりとなり、こんなの聴いたら仕方ないか...と (メイクでかなり頑張ったけど、あの顔ならメイクしなくても出来たのがジョニー・デップの妻ヴァネッサ・パラディ。でも演技力が彼女程あるかが問題)。今年彼女が出演するミュージカル映画『ナイン』の共演者がアントニオ・バンデラスって「E!」で言っていたけど、ハビエル・バルデムじゃないの??? 彼が歌えるのか知りませんが...(だいたい今回の受賞は、ワインスティーンの政治力も大きい。『ナイン』に箔を付けるためにキャンペーンしたとしか思えない。ジュリー様の『アウェイ・フロム・ハー君を想う』の会社がそれほど金をばらまいてキャンベーンできるところじゃないし、本人もこの賞は期待していなかったようで...自分よりサラ・ポーリーの候補が嬉しかったとな。やっぱいい女は器が違う)。それに八木アナがしきりにハビエルとペネロペがどうだとか言ってるけど、いつも共演するお友達なだけで、彼はカムアウトしてるので今さらそれを覆してどうするの (受賞までの話題作りかイメージ工作なのか?隣に座ったのはお母さんだったし)。
魔法にかけられて』の3曲はメドレーじゃなく1曲づつでしたが、エイミー・アダムズ本人も1曲歌ったけど、劇中で彼女が歌ったもう1曲はクリスティン・チェノウェスが担当。そりゃこの歌が《ウィキッド》のコンビの作品なんで、当たり前の選択。でも、この映画にで出てたのは彼女じゃなく、《ウィキッド》で共演した西の魔女役のイディーナ・メンゼルなんだけど...。歌としてはチェノウェス向きでやっぱり、上演となったら彼女がやるしかない感じ。コンディションとしては最高の出来ではなかったけど、チャーミング。もう、3曲目のジョン・マクラクランは完全に緊張しまくりで、声が震えていてお気の毒。でも、受賞やっぱあれに。コリン・ファレルが紹介したけど、入りに床が滑るって滑り直していた。
ダニエル・デイ=ルイスは受賞したら、奥さんレベッカ・ミラーにキスした後、おふざけ魔ジョージ・クルーニーをねぎらってキスしていたけど、やっぱりそれの質問する奴がいた(いい奴だからとか言っていたけど)。PTA作品はアメリカの嫌な部分をえぐる作品ばかりで見るのが辛いんですが、今回はその中でも最も問題で、今もそれで戦争を続けている国の原点である「石油」について描いているのでようなので、彼の演技を見るためにも見なくてはいけないのか...。『ノーカントリー』はハビエルが気になるけど、コーエン兄弟も同じくアメリカのうっとうしい部分を描くので「ノー・サンキュー」にしたいです。うっとうしいと言えば『JUNO/ジュノ』は今時のむかつく最悪娘の話みたいですが、脚本賞だけですんでよかった。昨日WOWOWやってた予測番組「第80回アカデミー賞直前スペシャル」ではロバート・オズボーンがエレン・ペイジに会ったらあれは演技じゃないってことが分ったので、彼女は受賞しないなんて言っていたけど。その番組では『ジュノ』の監督が『ハード・キャンディ』を見て彼女に一目惚れしたとか言っていたけど、あれを見てほれるなんてM男以外の何者でもない。
日本人期待の外国語映画賞は、例の如くナXスものに行きました。この部門はあの時代を描くと取りやすい悪い癖があるようで。似たとこ狙いのポーランドをあげてのキャンペーンしていたワイダの「カティン」も駄目でした。
脚本家組合のストのせいで80周年の豪華なショーということにはならず、脚本家の世話にならないクリップ集ばかりで、あまり面白みのあるショーにはなりませんでした。
なお、今月の「Vanity Fair」(ストのあおりで授賞式後のパーティは中止)はなんだか豪華そうだったので、手にとったらえらく重かったのびっくりしたけど、オスカー・シーズンということで、オスカー候補者とかを集めてヒッチコック映画の名シーンを再現した特別企画というのがあり、お宝品でしたので、買ってしまいました(でも帰りの電車でなんか香水臭いやつが乗ってるな〜と思ったら、その雑誌についていた香水サンプルのページの匂いでした。トム・フォードのはいい感じなんだけど日本で付けてたらヤバい人みたい)。そこで、ヒッチコック作品の美術を多数てがけたロバート・ボルトが名誉賞受賞というのにもひっかかってくる。今回流れたクリップとも同じ場面の再現とかをしておりました。ただ『サイコ』は彼の美術じゃないけど、ジャネット・リーのシャワー・シーンを再現したのはマリオン・コティヤールでした(ヌードですが映画と同じショットなので局部は写りません)。『北北西〜』はジュディ・デンチだかハリー・ベリーだからの換わりでプレゼンターをつとめたセス・ローゲンでしたが、本家と違いかなりデブってるのが笑える。その他大勢みたいな『救命艇』の再現にはジュリー・クリスティがメイクされまくりでちょとへんな感じで、『北北西〜』のエヴァ・マリー・セイント、新作『The City of Final Destination』が楽しみな『ミュンヘン』のオマール・メトワリーらと乗船していました。

なお、日本放送のゲストはりんこ以外はいらない。シネコンでの上映会の方には字幕版だったら見たい気も。それはパフォーマンスのためだけど。昨年のピロボラスとかみたいなのを大画面で見られたら感動したろうけど。
追記:実写短篇賞の「Le Mozart des pickpockets」を「ザ・モザート・オブ・ピックポケット」って表記しておりましたが、モザートってのはモーツァルト=天才、つまり「天才スリ師集団」ってことです。それにしても病み上がりのルーク・ウィルソンは痛々しい。ヒースのようにならなかっただけいいけど。