DON GIOVANNI

ザルツブルク音楽祭2006 歌劇「ドン・ジョヴァンニ

ドン・ジョヴァンニ》 Don Giovanni

  • 収録監督…………………………カリーナ・フィビヒ Video director - Karina Fibich
  • 製作……………………ベルンハルト・フライシャー Produced by Bernhard Fleischer
  • A production of UNITEL and BFMI
    in co-production with ORF and Classica
    in co-operation with the SALZBURG FESTIVAL

最悪。こんなもの上演する前に主催者はチェックすべき。NHKが放映するような代物でもない (大体、制作に絡んでるのはクラシカなのにクラシカでは放映されなかったから何だと思ったら...《フィガロの結婚》と抱き合わせでこれを買わされたのかも)。色彩センスが極悪で、こんなライティングではこの劇場にいた人全員の目がおかしくなるし、映像で見ても頭痛くなる (衣装のセンスもドイツ的でダサすぎる。悪趣味)。ザルツブルク幻想で老夫婦とか行っちゃう傾向がありますが、夫婦関係の危機となるので、オペラや演劇を見るのは危険。演奏会だけにすべき。行きたいなら『サウンド・オブ・ミュージック』ツアーをしたらインスブルックに行く方が得策。
主演が大嫌いなんですが、他に気になる歌手(夏に再来日するイザベル・バイラクダリアンのことですが)がいたんでチェックしましたが、こんなものが公演されたり、収録されるのは本当に悲しい。「Mozart 22」シリーズ中《後宮》と並んで最も酷いかも (今月日本で上演される《フィガロの結婚》は見そこねたので、分からないけど、知り合いが意味不明って言っていた...)。95年だかにパトリス・シェローが演出した公演は見ましたが、それは本当に圧倒的な公演でしたので、収録されるなら、その公演にしてもらいたいというか、その公演を続けてりゃいいのに... (リシャール・ペドゥッツィの美術はいつものようにパズルのようで面白いし、モイデレ・ピッケルはスペイン風でいつもとは違うけど美しいし。最後に巨大な石の像がドン・ジョヴァンニに直撃したのはビックリした)。いちいち下らないことする演出家をあてがって新演出にするなって!
このクシェイってのは本当にげんなりすることばかりするようで、昨年アムステルダムに行ったら、昨シーズンのアルバムが売っていたので見てみたら、シュレーカーのオペラのページでいきなり主演のガブリエル・サデの血まみれ全裸写真で思わず棚に戻したけど、これを演出したのがクシェイでした。来年は同所で《ムツェンスク郡のマクベス夫人》なので、全裸や陵辱シーンは当たり前なものになるでしょう...。
なお、ザルツ前任者のモルティエはパリ・オペラ座で《ドン・ジョヴァンニ》を上演するにあたり、猟奇映画監督のミヒャエル・ハネケを起用しましたが、オフィスのロビーとかに設定替えしたようで、残忍なものになったようですが、NYCOに移って決めた演目がハネケ新演出《コジ・ファン・トゥッテ》とのことで、2010年に上演されるとのこと。なんで、そうなるのか...。受け入れる側も、やる側もおかしい。客を無視している。