L'ELISIR D'AMORE

愛の妙薬》 L’Elisir d’Amore

CAST

  • 指揮……………マウリツィオ・ベニーニ Conductor: Maurizio Benini
  • アディーナ…アンジェラ・ゲオルギュー Adina: Angela Gheorghiu (March 31; April 4, 8, 11)
    アディーナ………………ニコル・カベル Adina: Nicole Cabell (April 15, 18, 22) 
  • モリーノ……マッシモ・ジョルダーノ Nemorino: Massimo Giordano (March 31; April 4)
    モリーノ…………ディミトリ・ピタス Nemorino: Dimitri Pittas (April 8, 11, 15, 18)
    モリーノ……………ジョセフ・カレヤ Nemorino: Joseph Calleja (April 22)
  • ベルコーレ……フランコ・ヴァッサーロ Belcore: Franco Vassallo
  • ドゥルカマーラ……シモーネ・アライモ Dulcamara: Simone Alaimo
  • ジャンネッタ………………イン・ファン Giannetta: Ying Huang

THE PRODUCTION TEAM

  • 演出……………………ジョン・コプリー Production: John Copley
  • 美術・衣装………ベニ・モントレゾール Set & Costume Designer: Beni Montresor
  • 照明…………………ジル・ウェクスラー Lighting Desinger: Gil Wechsler
  • コンサート・マスター…ナンシー・ルー Concert Master: Nancy Lew ?

INTERMISSION GUEST

  • ロルフ・ランゲンファス (衣装デザイナー)
    Rolf Langenfass, costume desinger of "Ring", "Parsifal" "Meistersinger" "Don Pasquale" "Faust" (MET), "Die Fledermaus"
Donizetti : L'Elisir D'Amore [DVD] [Import]
MET production
L'Elisir D'Amore [DVD] [Import]
Angela Gheorghiu
ベリッシマ [DVD]
ベリッシマ

MADAMA BUTTERFLY

Puccini - Madama Butterfly
Angela Gheorghiu
Madame Butterfly [DVD] Madama Butterfly-Comp Opera
Ying Huang

愛の妙薬」というとヴィスコンティの「ベリッシマ」がすぐ浮かんでしまい、また見たくなりますが (冒頭はラジオ局でこのオペラを生放送という場面からスタートし、スコアは「なんて可愛いんだろう」のアレンジ)、そんな余裕もなくとりあえず、パヴァロッティとバトルの共演でお馴染みだったのMETのジョン・コプリー演出《愛の妙薬》の再演の初日ストリーミング放送をチェックすることに。
これは以前、ゲオルギューは夫アラーニャと演じた演目ですが、今回はミスター・Vというあまり歓迎できない共演者なので、聴くのはいかがなものかと思ったら、やっぱりミスター・Vは1月にメトの《ルチア》途中を降板した後、パリ・オペラ座の《ウェルテル》も初日降板など、全く振るわない状態なので、この公演もどうなるかと思ったら、やっぱり初日と二日目を降板を発表 (結局全てキャンセル)。いいかげん、すっぱり休業するか、危険なので劇場側が雇うのを辞めればいいのに...。この調子では6月のリヨン歌劇場演奏による《ウェルテル》演奏会 (日本ではジェイムズ・ヴァレンティなので一安心)もあるのか分からないし 、L.A.とパリでネモリーノを演じるというのもどうなるか分からない。今一部で期待されているのは、METがバートレット・シャーで新演出する《ホフマン物語》を降板し、アラーニャがやることだけど、彼も《カルメン》新演出リハ中だから無理なので、残念なこと (ホフマンを歌えるフランス語の堪能なテノールってもっと他にいないもんかいな?)。だいたいなんぜミスター・Vで見たいと思う人がいるのか分からない。善人役は全く合わない"悪魔の眼" (by Ingmar Bergman)を持つ切れキャラ芸人なのに。破綻したホフマンやウェルテルは性格上合うかもしれないけど、うるさいだけで胸にこない。
なんてことはともかく、本当だったら彼は《カヴァ/パリ》出演中のアンジェラの夫ロベルトが代役を努めてもよかろうなもんだけど、大体日程が前日だったりして無理だし、このおのろけ夫婦は共演するとお互いを見られないので別の演目に出演し、しょっちゅう共演しなようにしている。ということで、またしても代役要員のマッシモ・ジョルダーノが登場。今シーズン何度予定外登場したことか。見た目はおバカな青年には全く見えない風貌だけど、今回は悪くない感じ。アンジェラはすっかり声の揺れがなくなり安定し、凍えながら演じた《つばめ》の時よりも良好なので、以前リヨンで夫と今回のアライモらと演じた時よりいい。アンジェラの新譜は《蝶々夫人》ですが、そのオペラの映画化で蝶々さんを熱演したイン・ファンがアディーナの友人ジャンネッタで登場というのも蝶々共演で面白い?狙いか?なお、イン・ファンは来期9月にはラ・モネでルセ指揮《セメレ》を主演というのでびっくりです。ドゥルカマーラ歌いのアライモは翌月はコヴェントでロラン・ペリー演出版でも演じるけど、あの収録が早まって初演時にやってしまったのは本当に大失敗としかいいようがない。その後、もっと売りになるキャストで各地で上演されているというのに。ということで、買えてない。いつかそちらも見たいもんですが、秋にパリで再演する時はミスター・Vとネトレプコなので絶対入手無理だし見たくないので、別キャストの方の日 (タチアナ・リスニク、チャールズ・カストロノーヴォ)は楽勝そうなので、なんとかしたいもじゃ。脱線。ま、泣きは入らなかったけど、破綻もなく無事に終わりました。アンジェラはリヨンの時より断然良くなっていてびっくり (今回がんばりすぎたのか、後の公演ではちょっと喉痛めた感じだったけど)。
なお、休憩中のゲストは今シーズンで消えるオットー・シェンク演出《ニーベルングの指環》などの衣装デザイナー、ロルフ・ランゲンファス。20年以上やっているけど、やる度に時代の流れなども考慮して替えているとな。30分の休憩で20分しゃべってました。トリヴィア・クイズは、「妙薬」にひっかけて、劇中で酔っぱらう場面のあるオペラを募集 (《ファルスタッフ》は除いて)。で、一番多く寄せられたのが《オッテロ》のカッシオ、続いて《こうもり》全員(終場)、以後は《アルジェのイタリア女》のムスタファの「パパタチ」場面、《後宮からの誘拐》のペドリッロとオスミンの場面。他に、《外套》のルイージ、《ボリス・ゴドゥノフ》、《カヴァレリア・ルスティカーナ》のトゥリドゥ。《道化師》の劇中劇。《ボエーム》のベノワ、《西部の娘》のジャック、《ボーギーとベス》、《運命の力》、《イェヌーファ》《カーチャ・カヴァノヴァー》、《薔薇の騎士》二幕のオックス、《フィガロの結婚》のアントニオ、《チェネレントラ》のドン・マニフィコ、《伯爵オリー》、《ピーター・グライムズ》のボブ、《アルバート・ヘリング》、《マクベス》の婚礼客、《ヘンゼルとグレーテル》の父、《ペリコール》などが挙げられてました。同じ原作だけどパーセルの《妖精の女王》とブリテン《夏の夜の夢》も加えてもらいたいもんだけど、MET的じゃないので仕方ないか...。バッカスとかが出るのも言うまでもないし。《アラベッラ》がないのも困ったもん。