L'ELIXIR D'AMOUR

愛の妙薬》L'Elisir d'amore

  • ガエタノ・ドニゼッティによる二幕のオペラ・ブッファ Opera buffa en 2 actes de Gaetano Donizetti
  • 台本:フェリーチェ・ロマーニ Livret de Felice Romani
  • 初演:1832年5月12日ミラノ・カノッビアーナ劇場 Créé le 12 mai 1832 à Milan au Teatro della Canobbiana
  • 指揮…………パオロ・アッリヴァベーニ Direction Musicale : Paolo Arrivabeni
  • 演出………………アルノー・ベルナール Mise en scène : Arnaud Bernard
  • 美術・衣装…ウィリアム・オルランディ Décors et costumes : William Orlandi
  • 照明…………………パトリック・メウス Lumière : Patrick Meeus

現在「東京オペラの森」の演奏会のため来日中かと思ったら、4月20日から始まるローマ歌劇場の《椿姫》にアラーニャの代わりで出演することとなり、またキャンセルしたジュゼッペ・フィリアノーティと、リュック・ベッソンの映画『フィフス・エレメント』でディーヴァの歌を吹き替えたことでも有名で日本にでも《椿姫》を歌ったインヴァ・ムラ(アルバニア出身でムーラと音引きしなくてもいいよう。フランスでの活動も多いですが、ここでもムラと言ってました。情報が修正できないとあるサイトのページでは彼女が死んだということになってます。ネット情報の恐ろしさ...)という以前トゥルーズとパリのシャトレで上演したプッチーニ《つばめ》の主演の再共演ということで注目の公演でした。MCも言ってましたが、パリ・オペラ座ではロラン・ペリー演出による新演出が昨年上演され、3シーズン連続(つまり今年の末も!しかもヒロインが今度は変わるのでやっと見てもいいかも)で公演ということで再認識されているオペラですが、パリの公演はペリーなので映画『フェリーニのアマルコルド』の感じみたいでレトロ感覚ですが(どうせならヴィスコンティの『ベリッシマ』風でもいいのに...あの映画では冒頭からこのオペラのジャンネッタのアリアでスタートし、スコアはネモリーノの「なんて可愛いんだろう」をベースにしている。可愛い=ベリッシマということ)、こちらは日本ではヤーコプス指揮《ウリッセの帰郷》をデザインしたオルランディで、彼は大概木材の感覚が好きみたいなので、こちらはそんな感じじゃなく美しいよう。
ところで、今のところとてもテンポが早くで、これじゃよっぽど口が回る歌手じゃないと無理な感じ。オケもご苦労さん。パリ・オペラ座の一部むかつくキャストを聴いた時の不快感はこちらにはなく、フィリアノーティもとあるフランス語のオペラではなんだかな〜って感じしたが、母国語ではいいみたい(でも刺すような鋭いところがあって、ネモリーノのおとぼけや優しさは感じられないけど...)。ミンコフスキ指揮《カルメン》はやっぱりフランス語が厳しいみたいで降りて、シャトレでの公演も降りましたが、恐いことに五月末にパレルモミシェル・プラッソン指揮《マノン》(日本でも上演したファッシーニ演出版)に出演するので、心配ですが、イタリアなので発音でブーを言う人はいないでしょう。一方のインヴァは6月末にバルセロナナタリー・デセイとのダブルでデイヴィッド・マクヴィカー演出《マノン》に主演するので、両日見たい...(2C日がDVD収録でしょう。ただ共演はMr.ビーンなんで辛い)。どちらもデ・グリューがアラン・ヴェルヌというのが面白いですが、その後日本で《ドン・キショット》って、休みなしで大変ね〜。脱線。