A ROOM WITH A VIEW

眺めのいい部屋 完全版 スペシャル・エディション [DVD] *ROOM WITH A VIEW         PGRN6 (Penguin Readers: Level 6) A Shropshire Lad (Penguin Classics: Poetry First Editions)
The E. M. Forster Trilogy: A Room With A View / Howards End / Maurice: Original Film Soundtracks Kiri Te Kanawa - Verdi & Puccini Arias Victor Herbert: Souvenir

アカデミー賞シーズンということで、87年のオスカーを3部門受賞(脚色、衣装、美術)した『眺めのいい部屋』をBSで放送しているので、一応素材確認のためチェック。本当はゴールデン・グローブの時期だったらピッタリだったんですが。というのも主演のヘレナ・ボナム・カーターは『スウィーニー・トッド』でミュージカル主演女優賞の候補で、ダニエル・デイ=ルイスは『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』でドラマ主演男優賞を受賞したので。アカデミー賞だと『スウィーニー〜』はいつもの如くティム・バートンには冷たいので候補にはたいしてならなかったから。
ところで、この映画は、日本初公開では池のシーンを3、4分カットしていましたが、再公開では字幕も変えてカットしていないオリジナル版でのやり直し、再々公開ではカットしてない版だけど、悪名高き字幕に逆戻りしていたので。もう何十回も見ているので始まるや一瞬で分かりましたが、再公開時の字幕を変えた版でした。ということで、単に日本に来たフィルムをテレシネしただけの素材で、発色も状態も商品にできるようなものではありません。
アメリカでスペシャル・エディションとして出たDVDは英国のPAL素材で出してしまったため、回転が違い、そのため上映時間も113分に短縮され、音も高いので、がっくりでした。日本で出たスペシャル・エディションというのは買い直していないので、その素材なのか知りませんが、きっと同じ特典なので、それでしょう。ちなみにブルーレイ、HDでもリリースされましたが、それもそのBBC-Americaという同じ会社からなので、回転がNTSC尺に戻っているのか不安ですが、ハードを持っていないので、未確認。
そういえば、昨年キリ・テ・カナワが日本での最後のリサイタルをしましたが、アンコールではもちろんこの映画で使われた「私のお父さん」を歌ってくれました。最後ということで、楽屋口でサイン会をしてくれましたが、一人一点厳守ということでなんだかそっけなくあっという間に終わってしまい、もり下がりまくり、本人ももう終わり?とか言っていた (キリを聴きにくるような人はサインを求めたりして待っている人なんてそうはいないので...)。
なお、一昨日亡くなられたアンリ・サルヴァドール氏の2002年のアルバムに「Chambre avec vue」というこの映画のフランス公開題と同じものがありましたが、それはもちろんE.M.フォースターのものではなくノエル・カワードが作った歌「A Room with a View」のこと。その歌は以前ジェイムズ・アイヴォリーの映画「Savages」(72)の主題歌を歌った故ボビー・ショートも録音しておりしました。
それにしても、放映素材が悪い!本当の映像はこんなんじゃないので...
ちなみに、これほど原作をあまり変えないで作られた映画というのもすごいものがありますが(大きな違いはフィレンツェの広場の観光シーン)、それなのにBBC-TVは昨年TV映画版を作ったので困ったもんです。シシルがジェイムズ・フォックス(『日の名残り』に出演)の息子ローレンス・フォックスというのが気になりますが。シャーロットはエマ・トンプソンの姉ソフィー・トンプソンというかフォースターよりはジェイン・オースティンものご用達の女優。エマソン氏がティモシー・スポールで、ハニーチャーチ夫人がエリザベス・マッガヴァン、イーガー神父がティモシー・ウェスト(息子サミュエルは『ハワーズ・エンド』に出たけど)。で、ルチアもといルーシーは『フェリシアの旅』のエレイン・キャシディ。といことで、結局こちらも見ないといかん!