LA SONNAMBURA

ヴィンチェンツォ・ベッリーニ:歌劇《夢遊病の娘》
Vincenzo Bellini : La Sonnambura, Opera in two acts

  • 台本:フェリーチェ・ロマーニ Libretto by Felice Romani
  • アミーナ………………ナタリー・デセイ(2C) Amina ... soprano, NATALIE DESSAY
  • エルヴィーノ…フワン・ディエゴ・フロレス Elvino ... tenor, JUAN DIEGO FLóREZ
  • 地主ロドルフォ……ミケーレ・ペルトゥージ Il conte Rodolfo ... bass, MICHELE PERTUSI
  • リーザ………………ジェニファー・ブラック Lisa ... soprano, JENNIFER BLACK
  • テレーザ……………………ジェイン・ブネル Teresa ... mezzo, JANE BUNNELL
  • アレッシオ……………ジェレミ・ギャリアン Alessio ... bass. JEREMY GALYON
  • 公証人…………………バーナード・フィッチ Un notaro ... tenor, BERNARD FITCH
  • 指揮………………………エヴェリーノ・ピド Conduted by EVELINO PIDO
  • メトロポリタン・オペラ管弦楽団&管弦楽団 The Metropolitan Opera Orchestra & Chorus
  • 演出…………メアリー・ジマーマン Production : Mary Zimmerman
  • 美術………ダニエル・オストリング Set designer : Daniel Ostling
  • 衣装…マーラ・ブルーメンフェルト Costume desinger : Mara Blumenfeld
  • 照明……………… T.J.ジャーケンズ Lighting designer : T.J. Gerckens
  • 振付…………ダニエル・ペルツィク Choreographer : Daniel Pelzig
  • 合唱指導………ドナルド・パルンボ Chorus master : Donald Palumbo
  • Musical preparation : Dennis Giuauque, Pierre Vallet, Carrie-Ann Matheson, Brenda Hurley, Speranza Scappucci, Steven White
  • Assistant stage directors : Gregory Keller, Gina Lipinski, Louisa Muller
  • Stage band conductor : Jeffrey Goldberg
  • Prompter : Carrie-Ann Matheson
  • Production a gift of Mr. and Mrs. Paul M Montrone
  • Additional funding from the Hermione Foundtation, The Gilbert S. Kahn and John J. Noffo Kahn Endowment Fund, Mr. and Mrs. William R. Miller, and the National Endowment for the Arts
  • The Met: Live in HD series is made possibel by a generous great form the Neubauer Family Foundation.
  • In association with PBS, the HD broadcasts are supported by Tall Brothers, America's luxury home builder®
Bellini: La sonnambula
全曲盤
La Sonnambula Highlights
抜粋盤
Amina ... Natalie Dessay
Elvino ... Francesco Meli
IIl conte Rodolfo ... Carlo colombara
Teresa ... Sara Mingardo
Lisa ... Jaël Azzaretti
Alessio ... Paul Gay
Un notaro ... Gordon Gietz
Orchestree & Choeurs de l'Opéra de Lyon
Direction ... Evelino Pidò

初日のストリーミング放送の日はまたもや雪が降っていたようで、皆さん不調というのが如実だったダメダメな公演で、しかも演出がアルプスのヴィレッジが舞台じゃなく、マンハッタンのヴィレッジにあるとあるリハーサル室で《夢遊病の娘》をリハしているという設定替えをしていて、カーテンコールでは演出家が大ブーイングだった。メトの客はオーソドックスなものが好きな置き換え演出とか好きなタイプじゃないエセ・インテリなので、ジマーマンのようなオフ・ブロードウェイの演出家の独創的な発想はピンとこないようである。これで来年上演のロッシーニ《アルミーダ》への期待が急激に下がったようで、降板要請活動をしようなどという輩がおるようで。
で、今回は上演も重ねた上でのHD同時上映という気合いが入った日なので、どうなるのかと思ったら、歌唱も演奏もましになっていて、演出家も出てこないからブーも起きなかった。HD上映のチケットは世界各国で発売と共に完売状態で (アンコール上映も決定している)、日本のようにお気楽に1週間上映ある日本とは違ってありがたみが違うよう。で、2Cは声を酷使したのがあだとなりハスキーぎみ(言うよね〜)で、アリアの途中で声が途切れるようになっておりましたが、何とかごまかすことに成功。2006年リヨンでの演奏会を同じくピドの指揮で録音しましたが、2Cの妙なイタリア語発音は矯正されつつあり、その時より良く聴こえるけど、レッジェーロでもベルカントでもない歌手になってしまいました。ヴィオレッタなんかやるからいかんのじゃ。今年の秋にはムゼッタってのもバカバカしい選択だし。
チャームレスならぬフロレス(óは音引きじゃなくアクセントなので延ばす必要はないんだけど。誰だかおバカさんがペーザロ・デビューの時だか雑誌で間違えたのが広まった)は、当然心には響かない冷たい声ですが、期待していない分、不満もなく。ペルトゥージも相変わらず。先月の《ルチア》は歌手の変更でとんだ大騒動でしたが、放送聴いてもがんばってHD上映見に行くほどでもないかと思い、行きませんでしたが、こちらはちょっと気になるので見てみたい気が...。
今回は例の音質のいい南部放送局から聴きましたが、フランスでの放送はどうかと思い、休憩アーカイヴ聴きしてみたら、夏時間だかでアメリカとの時差が一時間縮まり、そのせいで放送時間帯が早すぎるため時差放送をしており、生放送ではないことが判明。で、アメリカでは休憩でシェリル・ミルンズ司会によるクイズ大会があったけど、そんなものは流さず、オペラの原作となったウジェーヌ・スクリーブ台本によるフェルディナン・エロルド作曲のバレエ《La Sonnambule, ou l'Arrivée d'un nouveau seigneur》のCDや、リストによる《ノルマ》のピアノ・トランスクリプションなどを流しておりました。

Herold: La Somnambule Compl. Piano Music Vol.6. 'liszt at the Opera-1'.

DJは情報を盛り込もうといろんな事をしゃべっていましたが、2Cの今後の情報を次々と言ったはいいけど、フロレスとの情報をごっちゃにしていた。パリ・オペラ座ロッシーニの《湖上の美人》を演じるとか言っていたのは、当然彼女じゃなくフロレスの方だし。ただ、本家では言っていなかったけど、こちらではこの映像がDeccaでDVD化されると言っていった (《連隊の娘》をVirgin Classicsで出したから、今度はバーターでフロレスのDeccaでということでしょう)。でも、この公演の置き換え演出をルイジ・ピランデッロ風=「劇中劇」スタイル (つまり《作者を探す6人の登場人物》とかのこと)とかさらっと言うところは、アメリカ人の頭では出てこない表現。どうだろうと、何の興奮も得られないこのような公演の音源を聴き返す余裕があるなら、私はルチア・アリベルティのベルリンでのライヴでも聴く方がよっぽどいいです (あえてカラスと言わないのは、最後の高音を逃げてるので...)。って、ここ10年はベルカントものは大概そんな感じですが。もう、本当にムゼッタなんか取り組む暇あったらフランス・オペラとかやってくれ!なぜ《ミレイユ》とかをやらんのじゃ!(フランス人でもフランスものは難しいって言う位だから仕方ないか)...。
Vincenzo Bellini Complete Operashttp://www.dynamic.it/scheda.php?pid=675 (詳細)